公費の種類
前回は保険の種類についてまとめました。
今回は、公費の種類についてまとめていきたいと思います!
公費って何?
となる方もいると思います。(私も医療事務を始めるまで知りませんでした。)
公費とは国や都道府県、市区町村などが医療費を一部または全額負担する制度。
指定された医療機関のみ対象になる公費と、全医療機関で対象になる公費があります。
公費にもたくさん種類があるので、まとめていきたいと思います!
※私は東京都で医療事務をしているため、
割合負担、申請については基本的に東京都の情報です。
都以外の医療機関の方は、それぞれの自治体の情報をご自身でも調べてみてください!
公費の種類
生活保護
生活に困窮している人に対して、必要な保護を行い最低限度の生活を保障する制度。
生活保護受給者は自己負担なしで医療を受けることができる。
医療機関は、「生活保護法及び中国残留邦人等支援法の指定医療機関」として都知事の指定を受ける必要がある。
中国残留邦人等支援
中国残留邦人とは、第二次世界大戦後に日本に帰国できず、肉親と離別して孤児となり中国の養父母に育てられたり、やむなく中国に残ることとなった方々。
中国残留邦人は、医療費の全額が医療支援給付の対象となるため、
自己負担なしで医療を受けることができる。
医療機関は、「生活保護法及び中国残留邦人等支援法の指定医療機関」として都知事の指定を受ける必要がある。
難病医療費助成制度
指定難病と診断され、条件に該当する人が
知事の指定を受けた医療機関が行う医療に限り受けられる助成。
・3割負担の人は2割負担
・生活保護受給者は自己負担なし
・1割負担の人は割合変更なし
月ごとの自己負担上限額が設定され、上限額到達後は負担なしで医療を受けることができる。(複数の医療機関にかかった場合は自己負担額を合算)
※「特定医療被(指定難病)受給者証」に記載された病名以外の医療費は対象とならない。
医療機関は、「難病指定医療機関」として都道府県知事又は政令指定都市の市長の指定を受ける必要がある。
原子爆弾被爆者に対する医療の給付
原子爆弾被爆者は、都道府県知事が指定した医療機関では
自己負担なしで医療を受けることができる。
医療機関は、「被爆者一般疾病医療機関」として都道府県知事の指定を受ける必要がある。
心身障害者医療費助成制度(マル障)※負担割合は東京都のもの
身体障害者手帳1級・2級の方など、マル障受給者証を持っている人は、
東京都では、1割負担または自己負担なしで医療を受けることができる。
1割負担の人は月ごとに自己負担上限額があり、上限額到達後は負担なし。
※マル障受給者証を申請した都道府県外の医療機関を受診する場合は、
医療機関の窓口で自己負担分を支払い、住んでいる市区町村に医療助成費の申請が必要。
医療機関は、東京都医師会加入か東京都と個別の契約の必要がある。
乳幼児医療費助成制度(マル乳)※東京都の制度
東京都内に住所を要する小学校入学前までの乳幼児を養育する人は、
乳幼児の医療費の助成を受けることができる。
自己負担なし(入院時食事療養標準負担額は自己負担・市区町村によって養育者の所得による制限がある場合もある。)
※都外の医療機関を受診する場合は、
医療機関の窓口で自己負担分を支払い、住んでいる市区町村に申請が必要。
医療機関は、東京都医師会加入か東京都と個別の契約の必要がある。
義務教育就学児医療費助成制度(マル子)※東京都の制度
東京都内に住所を要する小学生・中学生を養育する人は、
児童の医療費の助成を受けることができる。
入院:自己負担なし(入院時食事療養標準負担額は自己負担)
通院:1回200円(市区町村によって助成範囲に違い、養育者の所得による制限がある)
調剤・訪問看護:自己負担なし
※都外の医療機関を受診する場合は、
医療機関の窓口で自己負担分を支払い、住んでいる市区町村に申請が必要。
医療機関は、東京都医師会加入か東京都と個別の契約の必要がある。
高校生等医療費助成制度(マル青)※東京都の制度
東京都内に住所を要する高校生等を養育する人は、
高校生等の医療費の助成を受けることができる。
15歳の4月1日から18歳の3月31日までが対象で、高校在学中か否かは問わない。
入院:自己負担なし(入院時食事療養標準負担額は自己負担)
通院:1回200円(市区町村によって助成範囲に違い、養育者の所得による制限がある)
調剤・訪問看護:自己負担なし
※都外の医療機関を受診する場合は、
医療機関の窓口で自己負担分を支払い、住んでいる市区町村に申請が必要。
医療機関は、東京都医師会加入か東京都と個別の契約の必要がある。
ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)※負担割合は東京都のもの
ひとり親家庭・父母ともいない家庭・父または母に障害のある家庭の親と児童は、
東京都では、1割負担または自己負担なしで医療を受けることができる。
1割負担の人は月ごとに自己負担上限額があり、上限額到達後は負担なし。
(所得によって、助成対象外の場合あり)
※都外の医療機関を受診する場合は、
医療機関の窓口で自己負担分を支払い、住んでいる市区町村に医療助成費の申請が必要。
医療機関は、東京都医師会加入か東京都と個別の契約の必要がある。
医療機関側の対応方法
生活保護:医療機関側の対応方法
患者が病院(薬局)ごとの医療券を役所で発行してもらい、月に1枚持参する。(事前に役所から郵送の場合も有)
医療機関名、有効期間を確認し番号等を登録する。
※持参していない、または郵送が間に合わない場合は役所に生活保護を受給しているか確認する。
確認が取れない場合、当院では一旦自費で全額お支払いいただいています。
中国残留邦人等支援:医療機関側の対応方法
医療券が役所から郵送で送られてくる。
本人確認証で本人か確認を取り、医療券の番号等を登録する。
※郵送が間に合わない場合は役所に確認する。
難病医療費助成制度:医療機関側の対応方法
『特定医療被(指定難病)受給者証』の病名を確認し、
整形外科領域の疾患か確認する。(他科の場合は自身の科の疾患か確認する。)
・主保険(国保・社保・生活保護等)を登録
・難病受給者証の番号・負担割合・上限額等を登録
会計後、『自己負担上限額管理票』にその日の点数、自己負担額、累計負担金額を記入し患者に返す。
原子爆弾被爆者に対する医療の給付:医療機関側の対応方法
都道府県知事が指定した医療機関であれば、全国で使える公費。
『被爆者健康手帳』と健康保険証を確認、
それぞれ番号等を登録する。
心身障害者医療費助成制度(マル障):医療機関側の対応方法
医療機関のある都道府県で発行されたものか、有効期限内か確認する。
健康保険証と医療証の番号等を登録する。
9月1日~8月31日が期限のため、9月は特に期限に注意!
乳幼児医療費助成制度(マル乳):医療機関側の対応方法
マル乳は東京都の制度の為、東京都の医療機関のみ使用可能。
他の子ども医療証は、医療機関のある都道府県で発行されたものか確認する。
健康保険証と医療証の番号等を登録する。
10月1日~9月30日が期限の為、10月は特に期限に注意!
義務教育就学児医療費助成制度(マル子):医療機関側の対応方法
マル子は東京都の制度の為、東京都の医療機関のみ使用可能。
他の子ども医療証は、医療機関のある都道府県で発行されたものか確認する。
健康保険証と医療証の番号等を登録する。
負担金額は、市区町村や養育者の所得によって変わる場合もあるので確認する。
10月1日~9月30日が期限の為、10月は特に期限に注意!
高校生等医療費助成制度(マル青):医療機関側の対応方法
マル青は東京都の制度の為、東京都の医療機関のみ使用可能。
他の子ども医療証は、医療機関のある都道府県で発行されたものか確認する。
健康保険証と医療証の番号等を登録する。
負担金額は、市区町村や養育者の所得によって変わる場合もあるので確認する。
10月1日~9月30日が期限の為、10月は特に期限に注意!
ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親):医療機関側の対応方法
医療機関のある都道府県で発行されたものか、有効期限内か確認する。
健康保険証と医療証の番号等を登録する。
負担割合は所得によって異なるため、医療証で確認する。
『一部』と記載のある場合は1割負担、『食』のみの場合は負担なし。
1月1日~12月31日が期限のため、1月は特に期限に注意!
まとめ
以上、公費の種類をまとめてみました!
他にもありますが、今まで経験した中でよく出会うものをまとめました。
参考になれば幸いです。
公費はそれぞれ申請が必要な場合も多いので、
ご自身の医療機関がある都道府県ごとで調べてみてくださいね。
字だらけで見づらくなってしまいましたが…
ご覧いただきありがとうございました!
ojioji🌷