天気予報の「のりしろ」
梅雨時は天気が気になる。寝る前に明日の天気予報を確認し、朝起きると空を見上げてスマホの天気予想とにらめっこだ。
住んでいる地域、出かける時はその地方の天気が1時間ごとに、天候、降水確率、気温、気圧などの情報が得られる。しかも1週間先までも。降水量予報の動画もあって、視覚的にもわかりやすい。
でも、なにか物足りないなあ。天気図がないし、データがデジタルではっきりしすぎている。アローアンス、「のりしろ」がないのだ。
NHKラジオ第二放送に、気象通報というのがあった。中学生のころ、欠かさず聞いたこともあった。今もあるのだろうか。
日本列島を中心に、南鳥島、南大東島から、台湾、中国の廈門、北京、ロシアのハバロフスク、ウラジオストクなど、そう日本近傍地域の観測所の風向や風力、天気、気圧、気温が夜10時ころラジオから流れ、それを天気地図に記入する。そのあと、等圧線を描き、高気圧、低気圧と前線、台風が発生すればその位置も記入する。
これで、天気図が出来上がった。放送中に間違えずに、聞き漏らさずに素早く記入できるまで、慣れが必要だった。
毎日やっていると、「天気の流れ」が頭の中に入ってくる。予報はできないけれど、なんとなく自分なりに、明日の天気がわかったような気がしたものだ。
スマホの天気予報はよく当たるほうだと思う。だから疑いもせず、そのまま鵜呑みにする。曇りの予報を朝見て、今日は曇りだと判断する。それをよりどころに、雨リスクを計算に入れない。
細分化された地域の天気だから、刻々と変わる。いつもアプリを見てないと、なんだ急に雨になったじゃない、とスマホに憤慨することになる。
他人まかせなのだ。それでリスクもスマホのせいにしてしまう。
気象通報を聞いて、空を見上げて、その後でスマホの天気予報を見る。その日の天気は自分で判断する。そんな「のりしろ」のある日々を送ってみたいものだ。