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自分たちが扱った商品、それが何に使われているかを知りたい

顧客に納めた商品が、どのように加工され、どんな最終商品にかかわるのか、大変興味のあるところです。でも、顧客からの情報開示がなく、わからないことが多いのが現実です。

「えっ?ワクチンに?」

ウチの部門は化学薬品を扱っています。ほとんどが最終商品の目に見えるカタチがわかりません。そんななかで、Hという商品がここしばらくひっ迫して、どうしたんだろうと思っていた時、担当者がひょんな情報を拾ってきました。

「高純度品だから、どうもワクチンの製造関係につかわれているらしい」

最新技術のmRNAワクチン、わたしも打ちました。そのワクチンに自分たちが販売した商品がなんらかのカタチでかかわっている。びっくりすると同時に誇らしく思えたのは、わたしだけではありません。

沖ノ鳥島、サンゴ礁からなる島で日本の領土として最南端に位置する。海から顔をのぞかせている、ほんの小さな陸地というか露岩。波による浸食を防止するため、鉄鋳物製の消波ブロックで周りを囲みコンクリートで護岸工事をした。1990年ころのことです。

そのとき、消波ブロックをつくるのにウチの製品が使われている、というのがわかった。

「国家プロジェクト、日本の領土確保に役立っている!」
当時の社長が大変喜んだのを覚えています。

小さな商品でも、どんなかかわり方でもいい。自分たちが扱ったモノが、国やヒトのために貢献する。素晴らしいことだと思います。

ですから、いつも言うのです。

「これが、顧客のどの商品のどんなところに使われているのか、知りたいよね?」