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マスクを外して散歩

マスクを常着するようになって久しい。電車や駅など人通りの多いところや、会社などの室内ではそうです。でも、それが不織布であろうと木綿やポリエステル布であろうと「匂い」が絶たれるのが残念です。

年をふるにつれて、五感の機能が衰えてきます。

眼は近くのモノが見えないし、暗いとなおさらです。耳も少し遠くなって聞きなおしが増え、指先はつるつるで引っかからず新聞をめくるのにも「水気」が要ります。スーパーのビニル袋などいつまでたっても口を開けない。

残るは匂いと味。これはまだ大丈夫と思っていたらマスクで自らそれを棒に振っている。食事の場所ではマスクを外して香りを楽しみたい。外歩きのときもそうしたいのですが。

街にはいろんな匂いがあります。

うなぎ屋さんや焼鳥屋の煙、天ぷら屋の油、中華料理屋やインド料理屋の香辛料などの食べ物屋さんの匂い。魚屋の生臭さや肉屋の動物臭も。鉄工場の鉄粉、建設現場のセメント、修理工場の塗料、少なくなったけれど印刷屋のインキやクリーニング屋の蒸気アイロンのにおいもあったし、鋳物屋さんのキュポラの臭いも独特でした。でもそんな街は少なくなりましたが。

歩けば匂いで職場がわかる。おやっと気づいて、お店や会社を匂いで探す。こんな散歩は楽しいものです。

そう、だからマスクを外して散歩しましょう、人通りのすくないところをねらってね。