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お酒のあてには、家庭菜園の若採り新鮮野菜をささっと簡単に料理して(3)
伏見とうがらし、伏見甘長ともいいます。
緑色の、細長く伸びたスマートな辛味のないとうがらし。夏が過ぎるころから育ちがよくなり、枝を伸ばして小さな白い花をさかせ、花の根元がふくらんで実になります。それが1週間ほどで細長く成長し、たくさん収穫できるようになります。1株で1週間に小ザルにいっぱい、ひとつきほど続きます。
ヘタと、実の先端を少し指先でつまんでとり除き、洗ってザルにとる。鍋に油をしき、とうがらしをいためる。火が通ったらだし汁をひたひたに入れ、酒を少し、薄口醤油で味付けしふたをして煮るだけ。ちりめんじゃこがあれば適量いれる。
これも若採りにかぎります。大きくなった伏見とうがらしは硬くなるし、タネが多くそのままでは口の中で異物感がします。だし汁が少なくなり、柔らかくなるまで煮る。
家人の実家に行ったとき、義父がつくっていたのを見て覚えた。あるときテレビで、和服が似合う京料理家、大原千鶴さんが同じ料理をしていた。
「伏見とうがらしとおじゃこのたいたん」
名前がいいですね。
彼女は左きき、菜箸できれいに小鉢に盛りつけますが、そこまでは望みません。ぬる燗のあてに、ご飯にもあいます。
大原千鶴さんの「あて」。
『おつまみ次第でお酒の味ってずいぶん変わるものです。逆もまたしかり。だからおつまみのことを、お酒の「あて」と呼ぶのでしょう。あては酔っぱらっているとき「食べたい! 」と思い立ち、飲んでいるお酒がなくならないうちに、時間をかけずにちゃちゃっとつくるもの。だからあては簡単でなくてはいけません。』
同感です。