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数字は鏡
入社して配属されたのは営業部だった。数十年も前の話だ。扱い商品はひとつ。日本国内に、見込み客が500-600社で業界の会社名簿があった。規模は大手から中小まで、地域は関東、中京、阪神地区が多いもののほぼ全県に散らばっていた。それらの会社に、日々売り込みに行くのが仕事だと言われた。
「数字は鏡だ」
名古屋支店長の口癖だった。日々の営業活動の結果は数字に必ず出る、だから「数字は鏡に映った自分の姿だ」という。
F=∫f(x)dx F:営業力、f(x):訪問回数
顧客への訪問回数を増やすこと、これがいちばんだ。訪問回数の積分値が営業力になる、それが数字につながる。こんな数式まで出てきた。
数字はウソをつかない。顧客に顔を見せなければ買ってもらえない。努力しなければ数字はでない。これは当たっていた。
お隣りの国が、また数字をさわりたがっているようだ。
中国国家統計局は、16~24歳の失業率の公表を一時停止するという。学校を卒業しても就職先がない、若者の就職難が社会問題になっているなか、4月が20.4%、5月が20.8%、6月は21.3%と過去最悪になって、7月は数字を隠した。
次は数字をさわる番だ。就職活動をしている在学生のとりあつかい、高学歴化しているから母集団を見直すなど「検討中」だという。
お隣りの国でも、「数字は鏡」というのだろうか。
ご参考:
『数字はウソをつかない、ウソつきは数字を使う』(マーク・トウェイン)