木綿豆腐はヘソがあったんだと、忘れかけていた
「アミューズメントパークみたいだ!」
墓参りの帰りにスーパーマーケットに立ち寄ると、下の娘が目の色をえて店内をあちこち見て回っている。お盆で関西の田舎に帰ったときのこと、品揃えがちがうという。
鮮魚コーナー。「尾頭つき」の魚がほとんど、それも小魚が多い。赤に黄色が混じったヒメチ、小アジ、シバエビ、ヒイカ。銀ギラギラのタチウオは長いのが一本。鮮度抜群、地元の漁港であがったものばかり。好きなものが特によく目に入ってくる。
お菓子コーナーで幅をきかせているのが「エビせんべい」、大袋にはいったのが山積みになって近所にある加工工場のが大安売り。野菜も果物もほとんど地モノ、地産地消です。
気がついたのが木綿豆腐。パックにははいっているものの、1丁仕立てで大きく、丸い2cmほどの出ベソがある。にがりで豆乳を固め、木綿袋で水切りするときの木枠の水切り穴です。いいですねえ、布目までオフセットされています。見ただけで大豆の香りがするような、やや硬めの懐かしい豆腐です。
昔に比べれば品揃えはもちろん豊富になりましたが、まだまだ昔ながらの「食べ物」が残っている地元のスーパー。食べなれた食材に囲まれた生活に、半ばあこがれ感をもったお盆の墓参りでした。