ロマンスグレーに見る中国指導部の変化点
80歳を超えるような元幹部は別として、中国共産党幹部は基本的には黒髪を維持するのが今までのならいだった。もちろん、ほとんどの人は染めているのでしょうが。
「自分は若くて現役だ。まだ引退しない。」
というアピールだ。これは共産党幹部にかぎらず民間も同じで、日本人社長が白髪頭で中国人に会うと怪訝に思われた時代もありました。
それが最近ちがってきた。
テレビや新聞によく登場する王毅(外相)さん、この人のロマンスグレーが目立つのだ。
昨年3月の全人代、習近平書記の漆黒の頭髪に白いものが混じっているように見えました。
政治幹部のなかで白髪を染めずにそのままの姿をみせている人が少なくとも3人、若返った党常務委員7人のなかでも2人がいます。
劉鶴:副首相、1952年生まれ、68歳
王毅:外相、1953年生まれ、67歳
胡春華:副首相、1963年生まれ、57歳
汪 洋:常務委員、副首相、1955年生まれ、65歳
趙 楽際:常務委員、1957年生まれ、63歳
これについて古谷浩一さん(朝日新聞)は、政治的野心がなく恭順を示しているのではと言います。*)
もうひとつ見方として、国内一辺倒から「一帯一路」で海外に覇権を求める中国の変化点を示しているのではないでしょうか。黒髪に代表される「古さ」からの脱却、習近平の若返り人事とその覇権の先兵たち。これが、「ロマンスグレー」として現れているように思えます。
*)https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019031300011.html?page=1