お酒のあてには、家庭菜園の若採り新鮮野菜をささっと簡単に料理して(2)
お月見のころ、収穫が待ち遠しくてサトイモを1株、試しに掘ってみる。
カマで茎の根元を切り、直径30㎝くらいの円の外側からスコップを深く差し込み、テコにして手前に引いて掘りあげる。うまくいけば1回で根こそぎ掘れる。ダメなときは90°横からもう一度スコップを差す。
親イモのまわりに子イモがつき、その子イモに孫イモがくっついている。掘り起こしたのをひっくり返し、土を除きながら子イモ、孫イモをひとつずつ手ではがしていく。パキッと軽い音が新鮮に聞こえる。
土垂(どだれ)、石川早生、それに隣のおばさんから分けてもらった地元のイモ。植える場所を分けていたのだが、いつの年にかごちゃ混ぜになった。大ぶりの楕円球は土垂、やや小さい丸玉は石川、中丸っぽいのがおばさん。形をみて推察するが定かではない。
直径3、4㎝くらいのをえらんで水洗いし、包丁で接合部とその反対側の2か所を少し切り取る。皮はむかない。鍋に少量の水を張り、蒸しザルにキッチンペーパーをしいてイモを入れ、蓋をして火にかける。5分ほどで湯気があがってきたら竹串を刺してみて、スッと入れば出来上がり。
皮を人差し指と親指ではさんでひねり押すとツルっと白いイモが飛び出す。熱くて持てない場合は、皮に切れ目をいれ竹串でくるっと転がすときれいにむける。この皮がはがれる小気味よいほどの抵抗感のなさがいい。なにより若採りのサトイモは白い肌がきれいだ。
「きぬかつぎ」はごま塩をふりかけてそのまま食べる。
気に入っているのは、辛子明太子をほぐしてそれに少量のバターを混ぜたものに、熱々のイモを入れ、つぶし割りして和えたもの。3種のイモはモチモチ感、ホクホク感の違いがあるはずだが、もうないまぜになってしまった。
この「あて」にあうのは、季節がらぬる燗かな。焼酎お湯割りもよい。
12月になって霜がおりると、葉と茎が萎れる。残りを全部掘り起こしてカゴに入れ土深く埋めると春までもつ。5月に親イモと残りの子イモを植え付けて、あとは放ったらかし。夏は大きな葉で根元を日陰にするので雑草も負ける。手間いらずだ。