コカ・コーラ
11年前の夏。前職を辞めたぼくは、その年に定年退職された先輩のNさんのヨットに、フィジーからニューカレドニアまで乗せていただきました。1週間あまりの南太平洋クルーズ。コーラを積んでいこうと思っていたのに、出発前に買いそびれてしまいました。
フィジーを出航、リーフを越えて数時間もすると、もう360度どこにも陸地は見えません。
9月の南太平洋は暑さはさほどでもありませんが、日差しはとても強いです。喉が渇きますが、積んでいるのは水とビールばかり。ぼくはビールは一缶も飲むともう酔っ払いです。そして積んでいた水はコントレックスという硬水で、慣れないとちょっと飲みにくい水でした。
それまで普段そうそうコーラが好きだったわけでもありませんが、この「買いそびれた、もう買えない」という状況のせいか、この航海中やたらにコーラの夢を見ました。
ニューカレドニアに上陸して飲んだ最初のコーラは、人生で一番美味しかったような気がします。
というような経験のせいで、ぼくはわりとコーラが好きなんです。