トンガーちゃん


 1970年代の中頃、我が家に不思議なぬいぐるみがいました。3本の足、3つの目を持った、三角形の白いやつです。
 誰かが買って来てくれたものだとは思いますが出所不明で、しかし名前は「トンガちゃん」らしいということはなぜかみんな知ってました。
 トンガというと南太平洋の国です。多分そこにはこんな感じの神様が居てはるんやろう、というのが家族の共通認識でした。
 その後何度かの引越しを経て、南洋の神様はどこかに旅立たれてしまったのか今はもう家にいらっしゃらず、また家族の記憶からも遠くなってしまってました。
 3年ほど前、大阪舞洲の旧車部品交換会で、トンガちゃんに出会ってしまいました。かなり小さなサイズですが、間違いなくあの姿です。いままさに消え去りかけた記憶の尻尾を掴んだのかも知れない。何となくそんな気持ちが湧いてきて、つい自室へお迎えしてしまいました。
 改めて調べてみると、トンガちゃんではなくてトンガーちゃん。南太平洋じゃなくてカナダの神様で、万博のカナダ館のお土産だったそうです。
 万博から50年以上経って初めて知りました。
 奇しくも今、舞洲の隣では次の万博が動き始めています。
 ミャクミャク様やそのお友達レネさんと、トンガーちゃん。なんとなく仲良くなれそうな気がします。あ、えっと、その、ビジュアル的になんとなく……。

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