時に裁判騒動!キラキラネームは伝統文化!?明治・大正時代の実名実例集【2/3】
今後キラキラネームが付けられなくなるかも?!というニュースから書き始めた記事ですが、第1回はこちらからご覧ください↓↓↓
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おさらい ~命名の掟~
名づけに用いることができる文字は以下の通り。
命名で起きた裁判騒動
ここで、過去に命名で起きた騒動についてみておきましょう。
悪魔ちゃん
30代後半の筆者くらいの世代にはやはり1993年の「悪魔ちゃん命名騒動」が記憶にあるのではないでしょうか。今からちょうど30年前。
筆者は、「子どもに『悪魔』という名前を付けようとしたが行政にそれを拒否され、やむなく別の名前を付けた」と思っていましたが、
「悪魔」の名前の出生届を提出
⇒市役所が受理せず、保留、法務省に相談
⇒法務省より両親に別の名前にするように指導
⇒父親が不服申し立て
⇒家庭裁判所は「悪魔」で登録手続きせよとの判断
⇒市はすぐさま抗告、この時点で父親が不服申し立てを取り下げ
⇒別の名前を提出して騒動が終了
という流れだったようです。ちなみに、7月末に生まれた子の正式な戸籍の名前が付いたのは翌年5月末。10か月もの間、呼びかけや通院等はどうしていたのかなと思います。
しかしそもそも、法律的に名づけにおいて「常用平易な文字を使うこと」という決まりしかありません。「悪」も「魔」も常用漢字であり、表面的な解釈においては何の問題もない、と言わざるを得ない。裁判所としては感情を挟まない法律に則った判断をしたわけです。一方で、市側は人道的な面を問うてそれを阻止しようとし、裁判所の結果は違ったものの、結果的には市側の希望が通った結果になりました。
命名権について問題となったほとんど初めての事例ということで社会全体に広く知られる騒動となりました。
王子様様
これは記憶に新しいと思いますが、2019年に当時18歳の「王子様」さんが「肇」さんに改名した件。ご本人が自らの意思をもって改名を望み、家庭裁判所に申し立て認められました。当時ご本人が発信していたTwitterも沸いていました。
ちなみに、戸籍の改名は誰もが簡単に行うことはできません。然るべき理由を添えて家庭裁判所の許可を得る必要があります。15歳以上であれば本人が申し立てることができます。
「王子様」の場合は「1.奇妙な名である」に該当し裁判所もこれを認めたということです。
改名をする人は年間約4000人、申立て件数の7割が通る
2019年のNHKの調査によると改名を希望し認められるのは年間4000人ほど。申立件数はおよそ6000件ほどなので7割くらいの許可が下りるようです。
改名の理由は様々ですが、社会的に不都合が生じている場合には改名が認められるケースが多いようです。
意外なことに?ここ20年間くらいで改名の申立て件数は減少傾向。昭和30年~50年の間は申立て件数は10000件を超えていました。
キラキラネームは今に始まったことではない
昔の方が名前を変えたい!と実際に行動に出る人が多かったのは、珍名奇名が今よりも多かったのかもしれない。
と、探していたらこんな本↓↓に出会い、名前辞典好きな筆者は思わずヤフーオークションで仕入れてしまいました。1929年のものなので旧字たっぷりの歴史的仮名遣いの文章で非常に読みづらいのですが、基本は名前集なのでぱらぱら眺めているだけでも楽しい!
荒木良造さんという方が様々な資料から集めてきた氏名集。発行が昭和4年なのでほとんど大正・明治の名前と思われます。(名前だけでなく苗字についても載っています。)”キラキラネーム”かどうかは置いておいたとしても「ん?」と思う名前は今に始まったことではないのです。
それにしても、残念なことにやはり読みがなの記載がほとんどない・・・!
昔(大正・明治)のキラキラネーム
筆者チョイスで昔のキラキラネーム?珍名奇名について挙げておきたいと思います。(最初の3つ以外はすべて「姓名の研究 附・難訓姓氏辞典 奇姓珍名集」より。読みがなが掲載されているものについてはカタカナで記載。すべて敬称略とさせていただきます)
「姓名の研究 附・難訓姓氏辞典 奇姓珍名集」において読みがなが記載されて入ればもっと楽しそうなのに・・・、と思うばかりです。
やはり読みがなの戸籍登録は必須・・・というわけで、いよいよ現代の法改正案について最終回で迫っていきたいと思います。
それでは!
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