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#101『お金の引き寄せ方は魂だけが知っている』愛新覚羅ゆうはん

 これはちょっと唸らされる本だった。「お金」「引き寄せ」と言うと、それだけで私なんかは拒絶感が出る方である。なぜだろうか。それは何となく惨めっぽい、そして安っぽい、浮ついた感じがするからだ。私はお金についてこう考えている。「良い働きをしていれば、お金は最低限はちゃんと得られる。お金を考えるのは後回しにして、今の仕事に打ち込むべきだ」と。
 もう一つの理由がある。こっちは否定的な方だが、自分の人生において、なかなかお金に苦しむ時期が長かった。だから「もういいです!そういう話」みたいな拒絶観があるのだ。
 それと3つ目の理由はアメリカンな感じの自己啓発やスピリチュアルはとにかくお金に拘り過ぎるように思う。何でもかんでもお金に紐づけようとする…というふうに私には思えてならない。私は(少なくとも2000年以降の)アメリカを文明として全く評価していない。だから彼らの説く成功理論と関わりたくないという思いもある。
 ところがである。いや、だからこそ、でもあるのだが、著者は5歳から日本で暮らす中国人で、まあざっくり言えば東洋思想である。この人の説く「お金の引き寄せ」は、アメリカンとは違うものがあった。深く考えさせられたのである。

 タイトルに反して、お金があるかないかは、求めや時期や人生観など諸々の影響を受けるのでどっちでも良い、と著者は考える。その上で、魂が喜ぶ生き方をしているかどうかが重要である、と説く。
 別に新しいことを言っている訳ではないようだが…いや、違う。アメリカンの方では「魂が喜ぶと必ず金がついてくる」なのである。私が知る限りでは、だ。
 ここに、安直かもしれないけれどいわゆる東洋的な叡智を感じる。

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