見出し画像

第7回 キャリアパスポートでつなぐ子どもの未来

前回に引き続きキャリアパスポートについて第2弾!
新学習指導要領により来年度より全学校で実施されなければならないキャリアパスポート。
キャリアパスポートのもたらすメリットは前回に書いた通り。

メリットがあるにも関わらず、キャリアパスポートが浸透していない理由は何なのか。

1.キャリアパスポートがもたらすデメリット

前回はキャリアパスポートの何事にもメリットの裏にはデメリットが存在します。問題はそのデメリットは解消できるかできないか。だと思うんです。

① 生徒が自分を美化してしまう

これは、日本教育の弊害。
先生に言われたことは正しくやらなければならないと刷り込まれている、
いわゆるいい子が陥りやすい罠です。
先生に褒められたいがために、先生の物差しに合うようにキャリアパスポートを作成してしまいます。
そしてそれを見た先生は自分の指導がいきとどいていると自己満足する。
↑ こんな先生結構多い


かわいそうなのは生徒です。
等身大の自分を正しく見ることができないまま成長してしまいます。
残念ながら自己満足のために教員をしている(自覚症状はないと思いますが)人の物差しは、これからの社会で全く通用しません。
そして、その物差しに合わせさせられた子どもたちの未来は明るくなるはずがありません。

② 先生が生徒に指導してしまう
これ、当たり前じゃんと思う人たくさんいると思うんですよね。
もちろん、先生が生徒に指導すること自体は悪いことではないし、当たり前の部分もあります。
しかし、時と場合によります。そして、先生が生徒を指導するという場面はこれからどんどん減っていきます。(これについてはいずれまた)
いまだに先生は子どもを指導するのが仕事だと思っている先生が多いのが現状です。
そんな先生は①にもでてきた自己満足先生です。

自己満足先生は、うまく書けていない生徒をうまく書かせようと指導します。良かれと思っているからたちが悪い。

結果、うまく書ければ先生が自己満足、
書けなければ先生がダメなレッテルをその生徒に貼ってその生徒のやる気はそこで終了。

かわいそうに、どちらも生徒の等身大の姿ではないので、子どもたちの成長は見込めません。

結局、キャリアパスポートのデメリットはこの2つ!!
・生徒が先生の物差しに合わせてしまう(まさに洗脳!)
・先生自分の物差しに合わせさせる(これも洗脳!)
上の場合、キャリアパスポートは生徒にとってマイナスに働きます。

どちらもデメリットの原因は教員側にあります。
ゆえに、これを解消するのは教員の仕事であり、義務です。
キャリアパスポートのデメリットは解消できる、いや、しなければならないことが分かりました。

2.キャリアパスポートが学校に浸透していない理由


子どもたちにとってメリットの大きいキャリアパスポートは1月現在、あまり学校現場で積極的に取り入れていこうとする動きは見られません。なぜでしょうか?考えてみました。

① 新しい仕事が増えることを嫌う
これ、学校(それ以外の場所でもあるかもですが)でよくあることなんですが、新しいことをしようとすると必ずでてくる問題です。
ただでさえ忙しい学校現場です。
働き方改革が騒がれている中、当然の主張です。
何に対してもとりあえず文句を言うという人もいますが、それは論外なのでここでは無視します。(私はいつでも無視します)
しかし、このキャリアパスポートにいたってはそれは全くのお門違いです。
キャリアパスポートでは新しい仕事は増えません。むしろ仕事が減ります。
生徒たちの振り返りはこれまでもそれぞれの先生、またはそれぞれの機会に行われているはずです。それを統一して行うことになれば、各先生の仕事量は確実に減ります。
そして、その生徒についての情報が一か所にまとまるために、生徒理解の時間が圧倒的に減るどころか、質まで向上します。

② 仕事を捨てることができない
 ①の内容にも通ずるところなのですが、学校というところは新しい仕事ができても、これまでの仕事を捨てようとしません。日本人のもったいない精神がいかんなく発揮されております。

・過去に倣って惰性で行われている仕事
・費用対効果が悪いけどとりあえず形に残すためにやっている仕事(書類なんかまさにこれ)
・内容が重複しているけれどそれぞれ違う場所で行われているため、内容が重複していることに気づいていない仕事

上のような仕事を過去から丁寧に積み重ねてきた結果、無駄な仕事が圧倒的に多くなってしまい、教員の多忙は引き起こされています。
ゆえに新しいことをしようとすると、拒絶反応を起こします。

しかしながら、キャリアパスポートは上のような仕事を精査してひとつにまとめることができるツールです。
やらなくていい仕事をするのは誰も得しないのでやめましょうよ、って話なのです。

③ そもそもキャリアパスポートを理解している人が少ない
だからこそ、この記事を書いているわけですが、
本当にキャリアパスポートを理解している人が少ない。(自分も怪しい)
これとは別にeポートフォリオというやつがあるのですが、
その違いも分かていない人がいる始末。

これは、教育というものが、いや、社会そのものが大きく変わっていくことを分かっていない人が多いからではないかと推測されます。
口では変わる変わるといいながら、やることは全く変わっていない状態です。

要するに、正しく理解すれば、仕事量は減るし、教育の質も向上するし悪いことは何もないキャリアパスポート。
ということは、学習指導要領の内容を現場に下すしかるべき場所がもっとがんばるべきというところでしょうか。小心者の私はこれ以上は言えません(笑) 

3 キャリアパスポートでつなぐこどもの未来

子どもたちは大きな可能性を秘めています。
これから大きく変化をしていく社会で、その可能性をいかんなく発揮する力をつけて子どもたちを送り出してあげることが大人の役目であり、義務です。
決して自分の経験や価値観を押し付けることが大人の役目ではありません。
そして、その経験や価値観は残念ながら新しい社会では役に立ちません。

キャリアパスポートで子どもたちの未来をつないであげませんか?

長文読んでいただきありがとうございました。
ご意見・ご感想等ありましたらお願いします。

また、リクルートキャリアガイダンスセミナーにてお話させていただいた際の資料が以下からダウンロードできます。ほかの先生方の講演内容も大変すばらしい(というか自分のはしょぼすぎる)のでぜひご覧ください。

資料等、必要な方おいでましたら可能な範囲で対応しますので遠慮なくお問い合わせください。

以上でーす。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?