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水深800メートルのシューベルト|第765話
「担架はこれじゃないだろう」 (と教官は言った。)
彼の言っている意味が理解できなかった。
「こんな、四人で担ぐタイプはここでは不向きだ。誰だ? こんな担架を持ち出した人間は?」
「はい、アシェル・スコットです」
フェルマンの言葉に怒りをおぼえたが、弁明する時間はなかった。
「タラップは担架でどうやって降ろすんだ?」
教官が与えてくれたヒントに、ようやく負傷者を階段やタラップから降ろす練習をしたことに思い至った。
「布製の担架を使って、それをロープで縛って降ろします」
同じように思い出したフェルマンが口を開き、取りに行くためかハッチから駆け出そうとした。