遊歩道を歩きながら、どこまでも道沿いに続いて建っているビルの二階のシェードから漏れるオレンジ色の光を眺めた。その一階にカフェがあり、そこでは大人の男女が見つめ合いながら話をしている。
「ねえ、どこを見ているの、アシェル?」
メリンダは、腕を絡ませてきた。もしかしたら、僕たちも、あのカフェの二人のように恋人同士に見られるかもしれない。そう考えると、急に恥ずかしいように思えて、返答ができなかった。
「何を考えているの? 会えて嬉しくないの?」
怒ったように彼女が腕を引いてきた。
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