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水深800メートルのシューベルト|第562話
「第二級の殺人容疑で、君の友だちのメリンダと、一緒にいたメイソン・ガルシアが逮捕された。君、メイソンのグループの仲間っていうじゃないか」(と、パディソンは言った。)
「え、ええ」
その男の目を見ないようにしていたが、彼は身を屈めて、執拗に僕の顔を覗き込んでいた。
「メイソンは、モニカの死体を運んだことを認めたぞ。殺しについては否認しているがね、これも時間の問題さ。彼はこうも言っている。『アシェルと女に、陥れられたって』ってね。これはどういう意味かな?」
彼の穏やかな微笑を見ると、冷たいナイフの刃を首に当てられているような心持がした。全てを話した方がいいのか? でもメリンダとの約束が……。