「私、アシェル君の上官を務めております」
彼はまじめな顔つきで、叔母さんに敬礼をしてみせた。
「はいはい、セペタさんでしょう? 嬉しいわ。最近の海軍では、部下を家まで送って下さるのね。で、アシェル・スコットは船を沈めませんでしたか?」
彼女は、笑って彼の冗談に合わせていた。彼女が妻の叔母だということに納得すると、セペタは周囲をキョロキョロと見回した。
「今日は、沈みませんでしたよ。ところで、アシェルの奥様は?」
彼は、叔母さんのノリの良さに笑いを堪えながら言った。
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