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水深800メートルのシューベルト|第884話

自分の適性検査の結果は知らないが、自分が艦長の立場だったら、すぐに過換気を起こし、ドジばかり踏むような乗組員は採用しないだろう。ゲイルさんは気を回したのだろうが、どうせなら、危険のない陸上勤務が良かったなと思う。きっと彼は、自分の目の届くところに僕を置いておきたかったのだろう。


「休暇の間に、君のアパートメントに寄せてもらうよ。いいかな?」
 僕とすれ違いざまに、彼は表情を崩さないまま、潮風に紛れるほどの小声で言った。確かめたことはないが、彼が僕のママの再婚相手だったことは、きっと艦長以外は知らないのだと思う。

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