水深800メートルのシューベルト|第85話 3 吉村うにうに 2022年2月8日 17:05 赤紫色のお姉さんが、泣いている女の子とママを連れてどこかに行ってしまっても、お婆さんは動かなかった。この人は、さっきの女の子の家族ではないことがわかって僕はがっかりした。お婆さんは、空いた隣の椅子に座るように促がし、僕はそこにそっとお尻を乗せた。 しばらく僕たちは黙ったままでいたが、お婆さんがバッグから飴を取り出して勧めてくれたので、それを口に入れると、お礼の他に、何か話しかけなきゃいけないような気がしてきた。 第84話へ戻る 第86話へつづく ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #写真 #小説 #連載小説 #長編小説 3