「僕は軍の依託学生として奨学金を受けている」
ゲイルさんはきっぱりと言った。
「もし、本当に七年も勤務するつもりなら、別れるわ」
ママはため息をついた。
「それは君の選択によるものだ。それについて、僕は干渉しない。自由にしたらいい」
「どうして、いつもそんな冷たいことが言えるの?」
彼はママの言葉にも動じていなかった。
「僕は、海兵隊だった親父から『人の役に立て。崇高な目的を持って行動しろ』と言われて育った。腕っぷしは決して強くないが、軍医としてなら使命を全うできそうな気がする。それは誰にも邪魔はさせない」
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