「今日は、虫の居所が悪いんだってさ」
そう言うと、彼は肩をすくめた。
「おいおい、今日は話どころか顔さえも見られないのか? アシェル、お前は家でも人を怒らせることをしていたな?」
「人聞きの悪いことを言うなよ。何もしてないよ。ずっと勤務でスマホもないのにどうやって怒らせるのさ?」
僕は、まるで他の場所でもトラブルを起こしているような言い方に不満だった。
「仕掛けていた爆発物が留守中に弾けたんじゃない?」
そういって笑ったが、僕は再び手紙のことが気になりだしていた。爆発物? まさか、彼女が見たら怒り出すような手紙でも来ていたのか?
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