水深800メートルのシューベルト|第8話 9 吉村うにうに 2021年11月23日 20:24 針が刺さった後、さらに強い痛みが肩全体に広がった。これ以上ロバートに何も言わせたくなくて、奥歯を食いしばって耐えた。 僕だってこんな潜水艦なんかに乗りたくなかった。特殊鋼の棚に体操用みたいなマットを置いただけのベッド、壁側は鈍色で剥き出しの金属。息を吸うといつも二酸化炭素除去薬剤が鼻を捻じ曲げる。通路側には僕等の命を握り、無言の圧力をかける魚雷。こんなところで寝起きして、しかも同僚は最悪 バスタード 。 いっそのこと、この中で僕だけが知っている事をぶちまけてやろうか? 第7話へ戻る 第9話へつづく ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 9