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水深800メートルのシューベルト|第1069話
「艦はいつ動くんだろう? 原子炉は再稼働したのかな?」
セペタはうんざりしたように言った。
「わからん。漏水は止めた。配電盤は今復旧作業をしているがどうなることやら。原子炉の事は、あいつらが秘密主義だからな。あいつらが口を閉じているせいで、みんな俺に訊いてくるんだよ。『この艦の動力はどうなった? 早く何とかしろよ』って。士官は口が堅いし、下士官は多分何も知らない。彼らに訊けないからって、下っ端の俺に訊いてもわかるもんか」
「もう、手遅れだったりしてね」
僕は、諦めたように言った。