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水深800メートルのシューベルト|第1116話

低く嘆くような声だった。
「会話禁止って……、いきなり言われて、気が滅入りますよ。先生に診てもらうと言ったら、許可が下りましてね」
 僕は、医務室からは見えないような暗がりを、行きつ戻りつしながら、会話を盗み聞ぎしていた。


「命令だから、軍人はそれに従うしかないでしょう。でも、わかりますよ。ここでは話をして構いませんから」
 ゲイル先生の穏やかな声が聞こえてきた。いつもよりカウンセラーか牧師のように、ゆったりとした口調だった。


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