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水深800メートルのシューベルト|第319話
(メイソンが葉っぱをほぐすと)はらはらと草の粉が、ビニール袋に戻っていた。その干し草が固まったようなものを芋虫みたいにずんぐりしたパイプの先に詰めると、彼は火を点けた。タバコと変わらないような白い煙がでると、さっきまで車内に充満していた焚火のような香りが強くなった。
「ほら、吸ってみろよ。この脇の穴を塞いで吸い込むんだ。ゆっくり深く吸えよ」
メイソンは芋虫を僕に差し出してきた。それを受取ろうかどうか迷っていると、ブライアントがからかうように言ってきた。
「気分良くなるぜ。それとも、逃げたママに許可をもらわないとウィード(注 マリファナのスラング)ひとつ吸えないのか?」