「先に降りろ、お前が上から降って来るのだけは勘弁だからな」
言葉に棘を感じながら、先に降りることにした。上からは彼の独り言か僕への不満なのかが不明確な言葉が聞こえてきた。返事をすると怒るだろうと思い、何も言わずにラッタルを一段ずつ降り、CICのハッチの見える場所で、更に下に続くラッタルに乗り換えた。ダカーリの足音が後ろに続いた。
あと数段で外に出るハッチにフロアに着くという時、
「早く行けよ、グズグズされると気分悪いぜ」
と言う声と同時に、頭に小さな衝撃が走った。
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