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水深800メートルのシューベルト|第1072話

 発令所には、艦長はおらず、奥にある注水制御コンソールと操舵コンソール、その右にある戦闘コンソールの前に、それぞれ操作員が座っていたが、手元を動かしているのは誰もおらず、皆、それぞれの計器やランプを見張っているだけのようだった。僕は、潜望鏡のすぐ脇を通って、一番右にある注水制御コンソールの男の後ろに立った。彼は、ちらっと振り返ったが、再び無関心そうに腕を組んで椅子にもたれていた。僕は彼の前にある制御パネルに手をのばしてランプをそっと触れた。


「おい、触るなよ」
 操作員は毛だるそうに言った。


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