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うにっき帳 vol.21|自分史編|ドレカツ丼(4)

はじめに

こんにちは。吉村うにうにです。「うにっき帳」のvol.21を掲載します。
「うにっき帳」は日記と銘打っていますが、①日記編 ②語彙増量編 ③自分史編の三部のいずれかを取り上げます。

今回は、「ドレカツ丼」の続きです。前回と前々回はこちら。

では、よろしくお願いします。

尚、内容の文章は常体で描いております。
日付は自分史編の場合、メインの事件が起きた日を記載しています。

     二〇〇一年夏頃 ドレカツ丼(4)

 ドレッシングカツ丼をすぐにドレカツ丼と短縮し、その味について熱っぽく語ると、クラスメートは「本当? そんなに不味いの?」と食いついてくれたのが救いだった。私は、お金と自分が食べ物を選ぶ基準についての自信を失った代わりに、ネタを提供できて、それが受けたのだった。

 翌日の昼休み、クラスメートが教室に戻ってきて言った。
「本当に不味かったよ」
 それを近くで聴いていた別のクラスメートが、
「そんなに不味いなら、俺も行ってみよう」
 と言って、カフェテリアに向かった。私がドレカツ丼を食べた翌日以降、クラスメートのうち、私が把握しているだけでも十数人がその新商品を食べていた。そして、皆、嬉しそうに「あれは、味噌カツじゃないよね」と報告を返してくれた。

 みんなが、興味本位で味噌カツ丼を食べに行った事で、カフェテリアの方からしたら、このメニューが好評だと勘違いするのではと内心苦笑した。クラスメートは好奇心で食べに行っただけなのだ。これは、売り上げが一時的に良い事が、必ずしも商品への評価に繋がるとは限らないという教訓を残してくれた。

 ドレカツ丼で舌には不快な思いをさせたが、みんなが不味いと言って、その話題で盛り上がった。クラスのドレカツ丼ブームはあっという間に去ったが、後々にまで、はっきりと思い出に残っている。
               (つづく)

さいごに

いかがだったでしょうか。不味いと聞いて食べに行ったクラスメート達に驚きました。私なら絶対に避けます。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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