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水深800メートルのシューベルト|第1103話

「アシェル、お前のお袋さんは?」
「湖に飛び込んだよ」


 何も考えずに反射的に返答をした。人間、投げ遣りになると、言いにくい話も平気でできてしまうものだ。一秒でその事に気づいたが、訂正するのも面倒臭いのでやめた。彼は意外な答えに困惑したのか、曖昧な笑顔で
「もっと考えたジョークを言ってくれよ。それともそういう競技の選手か?」
 と訊いてきたので、僕は黙って首を振ると、「マジかよ……」と呟いて、黙り込んでしまった。


「お前は能天気ハッピーゴーラッキーでいいな」
 ボブがため息をついて言った。
「俺は、お前達を元気づけようとしてだなあ……」
 ロバートが大きな声を出すと、セペタが手で声量を抑えるよう指示を出した。


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