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水深800メートルのシューベルト|第406話

 彼(バーナード)は、ひょいと後ずさって、ファイティングポーズをとった。次に瞬間、僕の腹に激痛が走り、体が折れ曲がって崩れ落ちた。


 後ろから、他の誰かに蹴られて、そのまま前につんのめった。
「怒る元気があるなら、金を盗ってこいよ」
 転んだ時に、腋の下に固い物がぶつかった痛みで、そこにしまっているのが何であるかを思い出した。頭と胃の中がグジャグジャになって、もうどうにでもなれと思い、それを両手で握って後ろを向き、僕を足蹴にした奴に銃口を向けた。


 そこにいたのはメイソンだった。反射的に飛びすさり、僕を見つめていた。顔色はさっきとは打って変わって青くなり、唇をわなわなと震わせていた。

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