水深800メートルのシューベルト|第1100話
「い、いや喋るなって、無理ですよ。勤務にならない」
「勤務中は上官の許可があればよい」
セペタの反論に、技術中尉は苦しげに答えた。
「それじゃ、休憩中はずっと話ができないって言うんですか? ゲームしか、する事がありませんよ」
「その通りだ」
ボブの不満げな声にも、中尉は答えていた。
「馬鹿馬鹿しい。それで酸素がどれ位節約できるっていうんですか? 中尉殿はそんな滅入れに意見具申さえしなかったんですかい?」
ロバートは軽蔑したような目をしていたが、それ以上は言わなかった。彼も含めて、みんなわかっていた。