水深800メートルのシューベルト|第1092話
「嫌なら、ロバートには退室してもらってもいいんだぞ。それとも歩けるなら医務室まで肩を貸しても……」
僕は首を振り、三人の顔を順に見て言った。
「もう、荒くないよ。ごめんな、色々喋ったみたいで」
「まったくだ。お前が俺と自分の親父をとことん嫌っているとはな」
ロバートが冗談めかして言うと、ボブは肘で彼を突いていた。しかし、彼はその肘をどけるようにして続けた。
「ふん、ユースレスなんかが嫌ったところで、気にはしちゃいないがな」
そして、更に何かを言いたげにしていたので、顎でしゃくって促した。
「お前の妄想が現実になっちまった。この艦は豪華な棺桶になりそうだぜ」
「お前はもう喋るんじゃない」
ボブはロバートを押しのけるようにした。彼はふくれ面をして、斜向かいのベッドの一番下に腰かけて手で頭を押さえた。