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水深800メートルのシューベルト|第1101話

これは命令だ。ノーマン中尉はただそれを伝えに来ただけだと。しかし、会話禁止と言うストレスが溜まるだけで効果の期待できない命令を素直に聞く気にはなれなかった。きっとセペタやボブも同じ気持ちだろう。上官の命令には忠実で、口を挟むことを決してしないセペタでさえ「イエス」と即答せず、困惑したような顔をしていた。しかし、発せられた命令には従うしかない。誰もが同じ事を考えていたと思う。


 中尉は僕らを見て咳払いをした。
「まあ、数日の辛抱だ。コミュニケーションは、ハンドサインや文字でやってくれ。備品庫からホワイトボードを持って来させる。今は何より酸素の消費を抑えることだ」
 懐柔するような言い方に、不安が募ってきた。


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