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水深800メートルのシューベルト|第1068話

「だから、配電盤なんだって、問題は。グシャグシャだな、あれは。今他の誰かが替わってやっているよ。もう、うんざりだ。感電の危険もあるし、原子炉のエンジニア連中はピリピリしているし、まるで俺らのせいで配電盤壊れたみたいに言うんだぜ。疫病神だって。なんであんな奴らがここに乗艦しているんだ? 性格検査が機能してないんじゃないのか?」


 彼は珍しくいらいらを隠そうとしなかった。僕は
「みんな、ここ数日船が動かないので不安なんだよ。それで怒りっぽくなるんだよ。僕だって……」と言った。ついでに艦長の話を持ち出したくなったが、話してはならない、何よりゲイル先生に迷惑がかかる、そう思い、今後の見通しについて話す事にした。

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