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水深800メートルのシューベルト|第671話

 この日の午後は訓練用艦船の上に集められた。体育館なんかより遥かに広いドームの中に、無理やり押し込められたような鈍色の鉄の塊がそこかしこにあった。



 最初にランニングが始まった。艦船の狭い場所を、教官を先頭に縦隊になって走った。走りながら歌う、聞くに堪えないような下ネタの歌。僕はランニングでへばってしまったが声だけは出さないといけないので、歌っているようにおおわれるよう、節の切れ目のところだけ大きな弧を出した。……帰還するシップミーホーム、……わが胸にマイチェスト、……最善をマイベスト


「声が小さい!」
 教官は先導しながら、時折振り向いて走りながら怒鳴った。


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