「そんなんじゃないよ。罰でトレーニングさせられていたんだ。あの子も一緒に」
僕はぶっきら棒に言った。
「その割にはのんびり走ってたな。知っているよ。射撃場での騒ぎだろ? あの時の罰で自由時間没収ってか? よくあの程度で済んだな」
いつの間には、彼は僕のベッド脇に顔を出していた。
「あの程度って。ジャムを直したくらいで……」
教官に除隊を言い渡されたこと思い出すと、反抗心が湧いて出てくるのを感じた。
「アシェルは軍隊がどういう所かわかっていないな。だからやらかしたことの重大性も理解していないんだ」
彼は非難するように言った。
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