「ア、アシェル……。私……どうしよう。とうとう……、引き金を弾いただけなのに……」
彼女は自分の両手のひらを広げて、そこに目を落とした。
「もしかして、倒れているのは、モニカおばさん?」
彼女は微かに頷いたように見えた。
僕は、そこに倒れている人を起こして顔を確認する勇気がなかった。代わりに近くにあったタオルを水で濡らしてメリンダの側に行き、首や手についた血を拭ってあげたが、血は薄く広がるばかりで、なかなか取れず、かえって汚れていくように見えた。僕は焦ってゴシゴシと力を入れた。
「痛い、痛いよアシェル」
彼女はそう言って顔を背けた。
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