「そうした方がいいかもって、提案しただけよ。あなたのためを思ってね。でもいいわ、あなたの好きにしなさい」(と、ママは言った。)
突き放すように言われると、急に不安が襲ってくる。ママを怒らせたのだろうか。せっかく久し振りに会えたのに、嫌われたのだろうか。
「ごめんなさい。僕も本当はそのほうがいいと思ったんだけど、ほら、お婆ちゃんの預金って家賃払うくらいの分しかないし、本当に手一杯なんだ。僕が海軍に入隊して稼げるようになったら……」
「あなた、軍人になるの?」
僕があたふたしながら説明しようとすると、ママは余計に不快そうになった。
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