オリビアさんは、さっき声をかけてきた黄色い顔をしたお姉さんのレジに向かい、バッグから取り出した青いカードを手渡した。
「あら、前に来た坊やとは違う子ね。いいわね、お婆ちゃんと買い物で」
僕は、嬉しそうにカードが読み取り機を通るところを眺めた。エラーの音。
「あら、オリビアさん。残高が足りないわよ」
「そう、もう無くなったのね。今月は使い過ぎたかしら」
「支給額が減ったから、その影響かもね」
お婆さんは財布から小銭を取り出していた。後ろに並んでいた人や買い物カゴを手に通り過ぎる人のみんなが、僕たちを見ているような気がした。
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