「ジュリアを君から引き離したのはきっと私だ。私がアシェルを一緒に育てるように強く勧めていれば、ジュリアを失わずに済んだかもしれないのに……」
すべてを吐き出して、楽になりたいんだ。そう思った。
「ゲイルさんのせいだと思っていませんから。ママは、誰か……男の人が誰かいないと生きていけなかったんです。男の人と暮らすには、僕なんかいない方が……、だから、その方が幸せだったんです」
言い終えてから、嫌な言い方をしていたことに気づき、後悔してつけ加えた。
「僕は、ママの足を引っ張ることしかできませんから」
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