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水深800メートルのシューベルト|第1078話
彼は周囲に聞こえるような大きな声を出した。それが不快で耳を塞ぎたくなった。しかし、彼はこっちの気持ちにお構いなくキンキンと響くような声を出している。
「お前、持っているんだろ?」
「持ってないって、いい加減にしろよ。しつこいぞ!」
僕は意識して、ひと言ひと言はっきりと口にした。通路の向こうにいたか士官がこっちを見てきた。ロバートは驚いた顔をしていたが、すぐに怒りの色を浮かべ
「お前、急に生意気になりやがって。こっちへ来い!」
と言うと、僕の襟を乱暴に掴んで居住区の方へと引っ張り込んだ。