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水深800メートルのシューベルト|第1099話

「艦が着底して救援を待つことになった。現状では酸素はたっぷりあるが、長期の待機に備えねばなるまい」
「水は大丈夫ですか? シャワーや洗濯、飲料水の制限が出るなんて事は……」
 セペタがノーマン中尉に、心配そうな顔を向けた。


「そちらは命令が出ていないが、大丈夫だろう。魚雷発射管に使うための補水タンクは手つかずのはずだ。あの真水が予備として使用可能だ」
 中尉は咳払いをして、口の周りのうっすら生えた髭を、腕に彫った青い女性の顔で拭うようにしてから続けた。彼が告げた指示事項は、勤務シフトの変更。勤務に入る人数を減らす旨。次いで、担当場所以外への立ち入り制限。移動時に走らない事など多岐にわたっていた。その次につけ加えた命令を彼は、言いにくそうに伝えてきた。


「今後、士官の許可なく会話する事を禁止する」
 セペタとボブが同時に驚きの声をあげた。


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