「いいわよ、アシェルには私の大変さはまだわからないのよ。仕事と住む所がなければ、生きていけないの。どこかに住むにはお金が要るし、毎日の稼ぎの大半はあの女の酒と支払いに消えるの。あの仕事は、あいつが客と立つ場所を交渉していたからできていたし、今更、他の仕事を見つけようにも、あの街から出て行かないと連れ戻される」彼女は苦々しい顔をした。
僕がもっと大人で稼げれば……。そんな考えをすぐに打ち消した。メリンダにとっては、きっと待てないか諦めるしかない問題なんだ。そんな気がした。
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