水深800メートルのシューベルト|第1151話
「俺が悪いんです、俺が……。年寄りは呼吸を控えろなんて、先生に冗談を言ったから……」
突然、キャットウォ―クにいた水兵の一人が叫ぶように言った。そして、柵に張られたチェーンを掴み、子どものように揺らしていた。
「今更グダグダ言っても始まらねえだろ」
ロバートは、いつの間にか僕のすぐ後ろに立っていて、キャットウォークに向かって怒鳴っていた。そして、僕の方を向いて続けた。
「チッ、早く楽になりやがって。残った俺らは薄い空気を吸ってでも生きていかなきゃならないってのに、負け犬がよ」