車が車線を変える度にドアか隣のバーナードの方に体が振られ、僕は体勢を直すのに苦労した。彼はぶつかりそうになるまで前の車との距離を詰め、フロントガラスの間近にトラックの荷台が迫ってくると、彼は慌ててブレーキをかけたり急ハンドルを切ったりしていた。それを繰り返されると、頭の中がぐらぐらし、胃の中が気持ち悪くなって内容物を戻しそうになる。
バーナードに話しかけて気を紛らわそうとしたが、彼は青い顔をして、ぐったりとした様子で黙ったまま、この揺れに耐えているようだった。
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