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水深800メートルのシューベルト|第1017話

 ロバートの目は疲れ切っていて、ショボショボと瞬きをしていた。
「ガキの頃の毛布が手放せないのと同じ。あのコミックにもあったろ。スヌーピーに出てくる……、ええと……」


 ボブが目を上に向け名前を思い出そうとしていた。
「チャーリー・ブラウン!」
 ロバートと僕は同時に言った。そう、いつか読んだ、毛布をどこへでも引き摺って歩く漫画の主人公だ。そう思った。


「いや、ライナスって別のキャラじゃないか?」
 タイロンが頭を掻いて遠慮がちに言った。
「そうそう、それだ。アシェルは記憶力も怪しいな」
 ロバートは顔を赤くしながら、僕を肘で小突いた。

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