オリビアさんもその「周りの人が見ている)気配に気づいたのか、強張った顔で恥ずかしそうに小銭をトレーに並べ、早くトイレに行きたいときのように、荷物をひったくると、僕の手を引いてそそくさとお店を出た。
ソースの海に浮かんだハンバーグを食べ終えると、僕はまた小さなベッドに戻ることになった。オリビアさんは、ディナーの箱をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てると、カーディガンを着て、ベッドの傍まで来てくれた。疲れた顔をしているのに、買い物に行った時と同じバッグを持っているのが不思議で、それをじっと見つめた。
「ねえ、ママに会いに行くの? 僕も行っていい?」
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