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水深800メートルのシューベルト|第1038話
人影の先頭とぶつかった。
「おおっと、いたのか。すまない」
「いえ、失礼しました」
反射的に謝りながら顔を上げると、短い縮れ毛で褐色の肌の士官がいた。原子炉操作士官のノーマン中尉だ。明らかに僕を見て、見られてはならない時に出会ったような気まずさと不安と驚きが混じったような表情をしていた。
「いや……、急いでいるので」
彼は、二等水兵に過ぎない僕にさえ、怯えたような声を発して、避けるように通り過ぎた。その後に続いて通り過ぎた人影も、原子炉のエンジニアだったと思う。