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水深800メートルのシューベルト|第1181話

「おい、お前。もう死んじまったのか? それとも会話禁止で性根が腐っちまったのかよ。お前の死んだような眼を見ていると、イライラするぜ」


 ロバートは、瞼をピクリと動かしただけの男に向かって、嘲りの言葉を吐き続けていた。
「ルールを守りたいなら、せめて何か書いて、生きた証でも残せよな。歩いているゾンビよりも不快な野郎だぜ」


 彼は、無抵抗のセペタを相手にして、壁から取り外したホワイトボードをベッドに押し込んでいた。


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